現状・相談のきっかけ
コロナ感染症蔓延までは安定した顧客基盤に支えられ順調でしたが、緊急事態宣言の発令以降、売上が大幅に減少しました。3密(密閉、密集、密接)のイメージがある理美容室は、不要不急の外出対象とされ、来店を先延ばしにする傾向が顕著に出ました。緊急事態宣言解除後も、理美容室への来店自粛、来店頻度の低下傾向は続いており、これまでの待ちの姿勢のままでは立ち行かなくなると不安を感じていたときに、金融機関からよろず支援拠点の紹介を受けました。
課題内容
理美容を受けられない状況にある人にも理美容サービスを届けたいとの思いから、無料送迎サービス・訪問理美容サービスを2011年にスタートしましたが、広報に力をいれておらず、利用件数は月2~3件に留まっていました。訪問サービス・送迎サービスのニーズは、コロナ禍で確実に高まっていたことから、外出が難しくなってきた顧客を訪問・送迎サービスで取り込むことが課題でした。また、安定した顧客基盤は持っているものの、最寄り駅から遠く新規顧客開拓も課題でした。加えて、顧客の抱える美容の悩みに応えるため多くのヘアケア商品を販売していることから客単価は高めでしたが、ヘアケア商品の販売拡大余地もあると判断しました。

支援内容
外出をためらう顧客に「おしゃれ」のフルサービスを届ける
高い技術とリラックスできるサービスを自宅で受けられる“おしゃれデリバリー”サービスに取り組み、地域の在宅シニア層に来店と同じレベルの「美しさ」を安心な安全な環境で提供するサービスを開始。「おしゃれデリバリー」は、来店頻度を下げざるを得ないお客様を対象に、当店の提供するヘアケア商品を宅配することと、来店せずともフルサービスを望むお客様を対象に、店舗と同レベルの在宅理美容サービスを提供することを組み合わせたものです。訪問理美容専業の競合が提供しているのは「低価格で清潔に」というサービスのみだったことから、一人一人にフィットしたデザイン、カラーリングまで提供するフルサービスの提供には独自性がありました。
このビジネスモデルの実現のため、小規模事業者持続化補助金を活用し専用宅配バイクを導入。コロナウイルスへの感染リスクを減らす理美容セットの準備、新サービスを訴求するためのホームページリニューアル、地域での認知向上のためのチラシ制作、配布に取り組みました。
ポイント
- サービス専用バイク導入:“おしゃれデリバリー”キットを後部ワゴン内に収納。バイクには“おしゃれデリバリー”サービスのアイキャッチになる装飾を施しました。
- おしゃれデリバリー専用器材:デリバリー専用移動式シャンプー台など、在宅で店舗と同等なサービスを提供するための器材を準備しました。
- ホームページ制作:“おしゃれデリバリー”サービス導入にあたり、店舗と同レベルのサービスであること、高齢の方に安心なサービスであることを訴求しました。店舗と独立した新サービス専用ホームページの準備も進めました。
成果・今後の展望
コロナ禍が続いており来店客数の減少は続いていますが、“おしゃれデリバリー”により売上高はコロナ前を維持できており、現在は売上高の10%以上を占めるまでになっています。顧客範囲も、従来の近隣客(相模原市南区大野中地区)中心から、横浜市港北区、川崎市麻生区といった高級住宅地エリアへと拡大しました。また、来店客の有無に依らず店舗は営業を続ける必要がありましたが、新サービスでは訪問時間を調整して効率的に設定できるため、生産性も向上しました。今後は、今回導入したサービスをさらに拡大していく予定です。
相談者の声
当店の状況を十分に理解していただいた上でのアドバイスが、新サービスの立ち上げにつながりました。そのおかげで、コロナ禍にあっても前向きに経営できています。日々の店舗運営の悩みから事業の方向性まで、“神奈川よろず”に何でも相談させていただいています。

