現状・相談のきっかけ
代表者は、自身の経験を活かして洋菓子店を開業したいという夢の実現のため前職を退職しました。半年の準備期間において、理想の創業に向け事業計画の作成を試みていました。思い描いた提供したい商品イメージはあったものの「やりたいこと」の整理に悩んでいたところ、知人から創業前であっても伴走支援をしてくれると紹介され、神奈川県よろず支援拠点に相談に訪れました。
課題内容
代表者が考えていた「やりたいこと」とは、レストランパティシエとしての経験で感じていた「皿に描かれたスイーツの芸術」を体現した商品を自身の店舗で提供したいという想いでした。企業理念としての事業に対する想いや事業構想、創業に向けた資金的準備は十分にあったものの、実現に向けた創業計画の立案には着手していない状況にありました。
また、出店候補地が2か所あったこともあり、出店形態ごと、出店候補地ごとにそれぞれの創業計画(事業計画および収支計画)を比較検討し、実現可能な創業計画の立案を行うことになりました。
支援内容
「想い」を客観的に表現し、創業に向き合う姿勢が明確に
洋菓子小売業か洋菓子飲食業か、出店形態の検討については両アイデアにおける事業コンセプト(誰に・何を・どのように)案を比較しアイデア出しを行った上で、実現可能性の高い洋菓子小売業での創業計画を深掘りすることになりました。また、候補地選定においては、２か所それぞれのエリアにおける想定商圏を、e-STATおよびRESASを活用して人口属性や人口動態を相談対応時に提示し客観的把握を行ったうえで、横浜市神奈川区大口に出店することとしました。加えて、創業計画において補足資料(事業計画および収支計画)を作成する事を提案しサポートを行いました。
ポイント
代表者の想いを、客観的かつ実現可能性の高い創業計画に落とし込み、自信を持って創業に臨んでいただくことに注力しました。「自信を持って」とは、事業を軌道に乗せるための収支計画で確度の高い収入と支出のバランスを見出すことであり、時系列に沿った収入および支出の根拠を代表者と理解し共有することに努めました。金融機関に対しても十分に伝わるよう、事業計画と収支計画の両面から「理由」と「根拠」が明確になる資料作成を行うよう助言しました。
成果・今後の展望
2023年12月に創業し、現在は概ね当初の収支計画どおりに推移しています。また、Google等の口コミレビューからも、ストアコンセプトが顧客に浸透していることが確認できています。
一方で、原材料価格の高騰や商圏内の需要動向を踏まえると、新たな販促活動による需要喚起が必要であり、「日常に“彩り”あるお菓子を。」のストアコンセプトに沿った販促活動として、ファン獲得に向けたSNS活用や具体的なイベント等を提案し計画を練っています。
相談者の声
「想い」に対して自信を持って創業することができ、事業を軌道に乗せることができました。創業準備はどうしても独りよがりになりがちですが、早い段階から構想を整理してもらい、具体化に向けてディスカッションしてもらいました。
深掘りしてもらい寄り添ったサポートを提供して頂いた事に感謝しています。