現状・相談のきっかけ
オゾン層破壊という環境への問題意識から有害物質の排出をゼロにする完全密閉システム洗浄装置の開発に成功したところ、開発販売会社を経営していた先代が急逝し、2020年に長女である代表者が全く畑違いの分野から先代の遺志を継ごうと事業承継しました。先代が残した膨大な技術資料を読み解くことで技術は理解できたものの、どのように事業を展開していけば良いのかと悩み、よろず支援拠点に相談に来られました。
課題内容
「中小企業優秀技術・新製品賞優秀賞」を獲得した技術により大手企業向けに特注製品を開発してきました。しかし、より多くの企業で活用してもらうためには、洗浄ニーズを集約した汎用的なモデルを開発し提供する必要がありました。
代表者が、新製品開発から製造、販売までの全てを1人で運営していくことは難しいことから、開発、製造、販売といった実務面の支援者・パートナーを獲得し事業推進体制を組み立てる必要がありました。また、顧客も獲得しなければなりませんでした。
支援内容
かながわビジネスオーディションへの挑戦と継続的に業務進行を支援
当社の認知を拡大するとともに、顧客、支援者、パートナーとの接点を持つ方法として、「かながわビジネスオーディション2023」への挑戦と展示会出展を提案しました。応募にあたっては、創業理念、代表者の想い、事業構想を整理する支援を行いました。
その結果、かながわビジネスオーディションではファイナリストに残り新技術の社会的貢献度と魅力的なビジネスが評価され「KISTEC(神奈川県立産業技術総合研究所)賞」を受賞。同オーディションと同時開催の展示会「テクニカルショウヨコハマ2023」の「神奈川県よろず支援拠点」ブースにも出展し、ビジネスプランや当社技術が注目を集め人的ネットワークを拡大する絶好の機会となりました。
事業推進体制に関しては、KISTEC(神奈川県立産業技術総合研究所)や神奈川県知財総合支援窓口とも連携して、事業進行の停滞が起きないように継続的に支援を行いました。
ポイント
- ビジネスオーディションへの挑戦を通じて相談者の構想を見える化
- ビジネスオーディションや展示会を通じて課題であった体制づくりを実現
- 経営上で生じるさまざまな問題は都度サポートを実施
成果・今後の展望
「かながわビジネスオーディション2023」、「テクニカルショウヨコハマ2023」を通じてネットワークが拡大し、開発設計の支援者、製造・販売のパートナーを得て、事業推進体制を構築することができました。また、当社完全密閉型洗浄システムの優位性への理解も広がり、新規製品受注も継続的に入るようになりました。
現在は、より多くの企業ニーズに応える汎用モデルを、洗浄力と環境対応の両立に困っている多くの企業に提供する計画を進めています。
相談者の声
どのように事業を進めていったら良いのか悩んでいた時に、よろず支援拠点に巡り合って本当に良かったと思っています。コーディネーターから勧められた「かながわビジネスオーディション2023」への挑戦は光明となりました。受賞できたことでより多くの支援者やパートナーを得られ、事業を前進させることができました。今も困ったことがあると相談に応じてもらっています。

