現状・相談のきっかけ
よろず支援拠点への相談は長野県の企業連合体から、森づくりのコンサルタント依頼を受けたことがきっかけでした。森づくりの設計から施工業者の選定・維持など大型案件になる可能性があり、また県外の新規企業との取引であることからリスクやその対応策について予め検討したいと考え相談に至りました。
課題内容
従来の案件は、取引先とも施工業者とも長い付き合いのなかで信頼関係を構築してきました。しかしながら、本件は現場が遠方かつ元請企業との取引も初めてであることからリスクや今後の機会について検討が必要でした。
また、当社は非営利的な経営を意識してきたこともあり、プロジェクトの収支をほとんど気にしていませんでした。新規プロジェクトの検討にあたり、当社にとって適切なスキームの検討と、森づくりのコンセプト作成から業者選定、現場管理など様々な業務の想定や、客先への見積書作成が課題でした。
支援内容
見積書や契約書作成の実務を通して自社のビジネスを見直す
従来の見積書や契約書の形式を活用しながら、今回のプロジェクトのスキームに合う形式を検討しました。具体的には、当社から見積書・契約書などの原案について、一つ一つ内容を確認しリスクに対応するための追記や過剰内容の削除などを行いました。
ポイント
コーディネーターとしては出来るだけ企業の利益になるような考えに傾斜しがちです。しかし、当社は歴史も長く代表者は信念を持って企業活動を行っていることから、考え方を尊重し当社が損をしない、という考え方を意識しました。また、今回のプロジェクトで見積書や契約書の検討の経験が今後の営業活動に活かせるように努めました。
成果・今後の展望
当社が施工業者を選定するものの、発注元と施工業者が直接契約することで当社の資金的なリスクを回避するスキームが採用されました。当社は森づくりのコンセプト、施工管理など一連のコンサルティングから、翌年のメンテナンスに関してもコンサルティングを行う予定です。また、他団体から森づくりに関する相談なども受けており全国的な展開も視野に入っています。今回の支援は今後飛躍する企業活動の一つとなりました。
相談者の声
これまであまり契約書や見積書などを意識せずに活動してきていましたが、今回相談したことで一気に知識を得ることができました。
非営利事業で小さく活動していたので、今まで収支は意識してきませんでした。今回の件で大型プロジェクトでは雇用や経費過剰で赤字になりえること、結果、期待してくださっている森の仲間に迷惑がかかることを再確認させてもらいました。
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