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食品スーパー店内で店主うんちくの日本酒が飲める角打ち店に転換

事業者情報

企業名
株式会社香取屋商店
所在地
横須賀市西逸見町2丁目2-1
業種
小売業
相談内容
事業再生

昭和38年に横須賀市逸見町に飲食料小売店として開業。

青果と惣菜を主力商品とし、日本酒にも力を入れ全国10軒以上の酒蔵と直接取引を行い、角打ち事業は大盛況である。

現状・相談のきっかけ

当社は逸見町(横須賀市)を代表する飲食料小売店であり、青果と惣菜を主力商品とし日本酒販売にも力を入れ長く営業してきましたが、地域の高齢化が進み、顧客の来店頻度も減り売上も漸減していました。毎月の運転資金に苦慮し、資金繰りが厳しいなか経営の抜本的な立て直しの必要性があったことから、神奈川県信用保証協会の紹介で支援が始まりました。

課題内容

顧客減少という厳しい状況のなかで個店として生き残るためには、逸見以外の地域から顧客が呼べる魅力ある店舗に転換する必要がありました。従来、売上比率が高かった青果を抑えて日本酒と総菜の売上が伸びており地元の常連客以外に少しずつ逸見以外の新規顧客が角打ちに来店していることが判明したことから、角打ちの売上拡大を目指す事としました。

支援内容

「拘りの日本酒、総菜、老朽店舗」で日本酒好きを魅了

角打ちの顧客増加と売上拡大のため以下の施策を実行しました。

  • 店主による日本酒のうんちく

    多くの蔵元と付合いがあり、希少な日本酒を直接仕入れできることから日本酒の講釈で日本酒ファンを獲得。

  • 日本酒・総菜の適正価格化

    従来は小売価格と同額だった日本酒やつまみ代を角打ち用に値上げ。

  • 魅力ある老朽店

    50年以上の木造店舗は敢えて改装せずに昭和の佇まいのままにする事で郷愁感と温もりのある雰囲気。

  • ④角打ち座席の拡張

    従来の座席数は顧客が入りきれないため、売り場店舗内にも角打ち用座席を確保。

  • ⑤顧客ノート

    新規顧客にはノートに住所を記載してもらい店主との会話のきっかけに。

ポイント

「横須賀の角打ち店」としてのブランドが浸透し、遠方からの顧客が来店する改善策を相談者と一緒に検討し、店主の腹落ちと意向を確認した上で進めるよう努めました。施策実施後の効果分析や資金繰りなど経営状況を定期的に進捗管理し、都度必要なアドバイスを行いました。

成果・今後の展望

「横須賀に個性的な角打ちがある」という評判が日本酒マニアの間で広まりました。「吉田類の酒場放浪記」などテレビ番組など多くのメディアにも取り上げられ店主自らが出演しました。遠方からの新規顧客は老若男女に関わらず後を絶たない。コロナ渦前に全社売上5%以下だった角打ち事業の売上比率は20%超まで拡大しました。

相談者の声

角打ち事業ができる環境整備を一歩一歩進めてきました。日本酒と総菜を起点に顧客を増やしていく方策をコーディネーターからアドバイス頂き、確かな成果を収められた事は有意義でした。今後も取り組みたい課題は山積しているので、一緒に実現していきたい。この事業を推進することが地域の活性化にも繋がると確信できました。

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