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取引条件の見直しと計数管理の徹底により売上利益V字回復

事業者情報

企業名
株式会社魚太
所在地
横浜市鶴見区生麦5-20-8
業種
飲食業
相談内容
売上拡大

昭和10年、鮮魚店として創業。

平成6年より「日本料理うお太」として、お通夜、法事、祝宴等の仕出し料理やケータリングサービスを提供。四季折々の素材にこだわった料理の中でも特に魚が美味しいと定評を得ている。

現状・相談のきっかけ

代表者の家族の死去により、母親が急遽事業を引き継ぐことなったものの、引き継いだ企業はホールディングスを含めて6社あり、その複雑な事業構造を解明するのは容易ではありませんでした。資金繰りや事業運営に苦しむ母親の姿を見兼ねて、娘も事業に参画する決意を固めました。参画にあたりITツールを導入することで利益改善につながるのではないかと考え補助金の活用も視野に入れ当拠点へ電話したのがきっかけでした。

課題内容

最初にホールディングス傘下企業の資金の見える化を図り、営業実態のある企業の利益改善への道筋を共有しました。関連企業の1つは、葬儀や法事などの仕出し料理を提供しているため、葬儀業界の動向に売上が大きく左右されます。葬儀業界はコロナ禍での売上減少に加え、家族や知人など少人数で行う葬儀が増加傾向となっていました。決算書とヒアリングからコロナ禍での売上減少による資金流出、葬儀の縮小化に伴う受注単価の下落、古いままの取引条件、経営管理体制の不備等が問題であると分析しました。低単価でも利益が確保できるよう取引条件の見直しと、数値管理の徹底による資金繰りの安定化を課題としました。

支援内容

管理体制の構築と金融支援要請により資金繰りが安定

前月の決算数値が翌月に確認できるよう、月次決算に必要な棚卸しや人件費の確認、仕入先の変更も含めた個々の経費削減策を実施しました。月次試算表をもとに、原価率の確認や採用計画についても話し合いを行いました。また、無料の配膳料や配達料、特急料金についても価格交渉をするように促し、ドリンク代などの値上げも実施し徐々に数値が改善されました。資金繰りの面では、ホールディングス傘下企業の融資を当該企業へ付け替えたことなどにより、融資返済が困難になることが予想されたため、経営改善計画の策定を支援しメインバンクに金融支援を要請しました。

ポイント

専門的な問題に対しては、弁護士、税理士等と連携した支援を実施しました。突如降りかかった事業運営に対する不安や不満が軽減するよう、困ったことはすぐ相談できるよう精神的な支えとなるよう心がけました。

成果・今後の展望

取引条件を改善させたことで客単価が向上しました。また、営業の効果もあり支援前の2022年の売上高に対して支援後の予測売上高は約175%の売上増となる見込みです。また、原価率も20%程度低減したため、大幅な利益改善につながりました。人材採用も苦戦しながらではあるものの、優秀な人材の採用につながっています。地域密着で長年事業を行ってきた実績を活かし、ケータリングや弁当販売の売上実績も出てきました。今後は、効率化と社内体制整備に取り組む予定です。

相談者の声

親族の他界が続き事業継承を突如として迎えたなか、現状把握ややるべきことの方向性などにアドバイスをいただきました。親族経営のため方向性や考え方の違いなど衝突が起きた際には意向の整理などを第三者の視点でご意見いただけたことはとても心強かったです。社員や社長に伝えられないことも相談にのっていただき、アドバイスや元気づけていただけたことは経営をするうえで大きな原動力となりました。

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