現状・相談のきっかけ
コロナ禍が拡大した令和2年の春以降、一日あたりの利用者が80名から10~20名と激減し、家賃も賄えない状況となりました。家賃負担を軽減するために、席数を120席から75席に減少して営業を継続したものの利用者数は戻らず、運転資金が常に逼迫する状況が常態化しており、「なんとかこのピンチを乗り越えたい!」という思いから当拠点へ連絡し相談に至りました。
課題内容
現状の月次収支管理に関してヒアリングと調査を行い、資金面において3つの問題を明確にしました。
- 日々の売上と支出が正確に反映されていないこと。
- 計画的な資金運用ができておらず、数か月分の家賃の未払金が発生していること。
- 利用者を増加する仕組み、PRができていないこと。
支援内容
現状を改善する3つの方法をアドバイス
当社は社長1名で運営しているため、できるだけ負担が少なく、すぐに実行できる内容を心がけて改善策をアドバイスしました。
「日々の売上と支出が正確に反映されていない」問題
1つ目の課題については、収支日報の作成及び経理知識をもつ人物の協力を仰いで資金繰り表を管理し、相談者と毎月の収支確認を行う仕組み作りを提案しました。
「計画的な資金運用ができておらず、数か月分の家賃の未払いが発生している」問題
2つ目の課題については、コロナ禍という非常事態であることから新たに借入を行う事を提案し、商工中金のコロナ融資の申込と、国の実施していた一時支援金を申請することにより資金調達を行い、未払金の解消と計画的な資金計画を提案しました。
「利用者を増加する仕組み、PR不足」の問題
3つ目の課題については、利用者に高齢者が多いことから会員へダイレクトメールを送付し、閉鎖が続く神奈川県碁会所にあって横浜囲碁センターは感染症対策を行い継続して営業していること、各種囲碁大会の開催を知ってもらうことをPRするよう勧めました。さらに、ジュニア向けの囲碁スクールを開催し、新規会員の獲得にも取組むことを提案しました。
成果・今後の展望
商工中金からの借り入れにより、未払い家賃を精算できたことと、既存・新規併せ利用者も現在1日平均30名程度に増えたことから、毎月の赤字はほぼ収まっている状況です。コロナの影響で神奈川県内の多くの碁会所が閉鎖されており、コロナ前の神奈川県内碁会所168ヵ所に対して、現在は横浜囲碁センター含めて9ヵ所のみであることから、囲碁ファンが集う大型碁会所としての存在感を高めています。大会開催日には利用者50名を超え、さらにジュニアスクールの生徒も増えていることから、感染症の流行が落ち着けばさらなる利用者増が見込まれます。
相談者の声
収支管理の重要性が良く分かりました。また、資金繰り表を作ることで先を見越した運営が可能になったと思う。商工中金から融資借入ができたことにも感謝しています。

